建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2005年4月号〉

interview

農業と観光を柱に個性豊かな住みよい村づくり

「道の駅230ルスツ」とルスツふるさと公園を都市と農村の交流拠点施設として活用

北海道留寿都村長 澤 宣彦 氏

澤 宣彦 さわ・のぶひこ
昭和 7年 1月 13日生まれ
昭和 29年 3月 北海道大学農学部卒業
昭和 29年 6月 北海道日高支庁産業課勤務
北海道根室支庁長、北海道教育委員会教育長、
学校法人静修学園高等学校理事長などを経て
平成 9年 4月 留寿都村長就任 現在2期目
元北海道教育長だった澤宣彦氏が留寿都村村長に就任して、はや8年。農業と観光を柱として農村の発展の振興に尽力を尽くしてきた同氏に、これまでの8年間で行ってきた留寿都村の基盤づくりと、今後の抱負を語ってもらった。
――村長に就任して、いよいよ8年が経過しますね
村民の負託を受けて、村政をお預かりしたものとして、人間性豊かな村政の推進を心がけ、村の可能性を追求しながら、村政の発展のために全力を尽くしてきたつもりです。
――どのような事業に着手してきましたか
2期8年間の実績としては、村営住宅49戸や留寿都消防庁舎の移転改築をはじめ、村民総合運動場の改修、留寿都高校の増改築、小学校グランドの改修など、各般にわたる政策事業の遂行に全力疾走してきました。
――生活基盤の整備では、下水道がようやく終了を見たようですね
公共下水道並びに農業集落排水施設の整備については、平成15年度をもって完了し、すでに供用開始をしています。しかし、「特定環境保全公共下水道事業」並びに「農業集落排水事業」の受益地区から外れる農家などもあるので、その地区では現在、合併処理浄化槽を設置するため、浄化槽本体の全額を村が負担し、全村的に水洗化を進めているところです。
――観光産業の振興に向けて、道の駅を整備しましたね
国道230号沿いに位置する農産物直売所として開設した「道の駅230ルスツ」は、現在、既存施設に併設する形で、農産物加工研修室や郷土資料館、レストラン、休憩所を含めた交流促進施設を4月のオープンに向けて整備中で、これをもって道の駅の関連施設の整備は完了します。
その「道の駅230ルスツ」の背後地には、特定公園としてルスツふるさと公園を造成中で、これは今年中に完成する予定です。この「道の駅230ルスツ」と、ルスツふるさと公園を含めた地域を、都市と農村の交流の拠点施設として活用し、村の産業・観光情報を発信すると同時に、農村経済の活性化を図っていきたいですね。
――福祉政策は、行き渡っていますか
高齢者福祉として、特別養護老人ホームに併設する形で、高齢者生活支援ハウスを整備し、この4月より供用開始します。高齢者福祉において、ハード面での整備はこれで終了したので、今後は介護支援センターと特別養護老人ホーム、そして高齢者生活支援ハウスが連携をとり、一体的に運営をして、高齢者が安心して、安定した生活を送ることの出来る環境を提供していきたいと考えています。
一方、乳幼児医療については、12歳まで医療費の無料化を実施しており、今後とも力を入れるのは、保育所の設備の充実とともに、子育て支援体制の強化ですね。少子化対策の一環としては、子ども達が健やかに育つ環境を整備し、次代を担う子育ての支援体制を充実・強化していく必要があります。
――村民が住み良い環境をつくり、定住人口の増加策も必要ですね
村営住宅は十年間で56戸の建て替え改修を予定していますが、それと併せて今後は、pfi方式を導入し、優良田園住宅地を造成・分譲して、定住人口を増やしていきたいと思います。
――町村合併の動向は
町村合併については、市町村合併の特例法の新法によって、現行法律を実質的に5年間延長することになるため、より生き生きとして住み良い、誇りの持てるまちづくりに向かって、この期間中に合併も一つの視野として検討しなければなりません。
しかし、その他の選択肢として、留寿都が単独で生きていけるかどうか、自立できるかどうか、これを十分に検証・検討しながら、周辺町村と連携あるいは連合というような形で、より行政サービスを向上できる形態が見つかったならば、自立を基本としつつも町村連携・町村連合という形も考えていくべきだと思います。今後は、速やかにその方向性を、見定めていかなければならないと考えています。
――個性豊かな住みよい村づくりに向けては
農業では、さらに食味品質に優れた安全・安心を付加価値とする特産農産物の振興と、その付加価値をさらに高める加工開発を促進して収益率の高い農業経営の確立を目指していきたいですね。
さらにルスツリゾートと連携した「道の駅230ルスツ」と、ルスツふるさと公園、さらに全村を観光地としてPRできるように、本村の基幹産業である農業と観光を柱としつつ、農村のさらなる発展と活性化を図っていくつもりです。

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