建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2003年9月号〉

interview

釜石港とともに仙人峠道路連携で物流、経済の活性化

世界最大水深(-63m)の防波堤建設

国土交通省東北地方整備局 釜石港湾事務所長 成田 満 氏

成田 満 なりた・みつる
生年月日 昭和24年12月25日
本籍地 秋田県
最終学歴 昭和51年3月 日本大学 理工学部 土木工学科 卒業
昭和 43年 4月 1日 第一港湾建設局 秋田港工事事務所 採用
平成 9年 8月 1日 第二港湾建設局 釜石港湾工事事務所 宮古工場長
平成 11年 4月 1日 第二港湾建設局 工務第一課 建設専門官
平成 13年 1月 6日 国土交通省 東北地方整備局 港湾空港部 海域環境・海岸課長
平成 15年 4月 1日 東北地方整備局 釜石港湾事務所長
釜石港は、3,000人以上の犠牲者を出した、明治29年の三陸津波に耐え得る湾口防波堤を整備するため、最大水深-63mと、世界に例のない大水深への建設、重量16,000tの超大型ケーソンの設置など、桁外れの大規模整備が行われており、新たな交通ネットワークとなる仙人峠道路と結ぶ、一大拠点港として変貌を遂げつつある。その建設の最前線に立つ、釜石港湾事務所の成田満所長に、工事の特色などを語ってもらった。

――事務所の概要は
成田
岩手県にある久慈、宮古、釜石、大船渡の4つの重要港湾を担当しています。その中で、釜石港の湾口防波堤については、国の直轄事業として整備しています。また、7.5m岸壁と11m岸壁については県が補助事業で実施しています。
それと三陸国道事務所の整備する仙人峠道路と私どもの湾口防波堤、県が整備する岸壁の3つの事業が連携する形になっています。
――過去に何度か津波や地震の被害がありましたね
成田
明治29年の三陸津波が、最も大規模な被害をもたらしました。また、それ以降も昭和8年、昭和35年のチリ地震津波と、3回来襲し、その中でも明治三陸が3,765人、全人口の半分くらいの尊い命が犠牲となるなど、当時は相当大きな被害が出ました。そこで、過去最高の三陸津波に対応できるように湾口防波堤を整備しています。
――岸壁のケーソンなどは、他と異なる構造になるのでしょうか
成田
11m岸壁については通常の構造になりますが、7.5m岸壁については、耐震強化岸壁として、どちらも補助事業で実施されています。
――最近も地震がありましたが、影響は
成田
幸いにも釜石港の直轄施設については、異常がありませんでした。
――釜石港だけでなくて、他の3つの港もこのようなかたちで整備しているのですか
成田
津波防波堤としては、すでに大船渡港が昭和42年度に出来ています。また、久慈港でも同じような津波防波堤を整備しているところです。
――釜石港湾口防波堤の完成予定はいつでしょうか
成田
平成18年度を目指しており、今年度は当初予算として20億8,900万円が計上されています。全長1,960mのうち、1,580mがすでに完成しているので、進捗率は大体80%です。
――これが出来ると、取扱貨物量がかなり伸びるのでは
成田
仙人峠道路の整備によって、貨物の輸送時間も短縮されるので、当然物流の効率化が図られますから、取扱量が増えてくることは予想されます。
――三陸特有のリアス式海岸での津波防波堤は、珍しいケースでは
成田
現在整備が進められている津波防波堤としては、全国に3つあります。そのうち2つ、久慈と釜石は岩手県。もうひとつが高知県の須崎で、直轄事業で津波に配慮した防波堤の整備を行っています。
――施工に当たっての特別な技術は採用されましたか
成田
世界最大の水深-63mという、他には例のない大規模なプロジェクトです。深さ63mというところに造っている防波堤はまずありません。通常は20mか30mで深いと言っています。これは他には例のない深さですから、いろいろと技術開発を行っています。
――そうなると、技術的にも工法的にもその都度吟味しながらということになりますね
成田
そうです。昭和53年度から建設に着手していますが、建設以前からいろいろな開発、調査、研究をしながら進めてきました。
これはどの規模ですから、最大のケーソンは、長さ・幅・高さとも30mのもので、重量は16,000tにもなります。そのために、作業基地を建設し、ここで大きなコンクリートの箱のケーソンを製作し、防波堤まで曳航し、設置するわけです。
  ケーソンのつくり方にもいろいろあり、釜石港のようなケーソンは大き過ぎて通常の工法では製作できません。そこで、ケーソン製作に当たっては、フローティングドックでの製作から始まり、順次、打継場にケーソンを移動させながらケーソンを打継ぎ、完成させていきます。
――ケーソンも世界初のスケールとなるわけですね。かなりの技術力を要するのでしょう
成田
何しろ、16,000tですから。私は以前にも宮古の事務所におりましたので、この三陸の海の港湾整備の経験はありますが、実施に当たっては技術のみならず、様々な工夫が必要となることもあります。
また、我々を含め、現場で作業される方々も、陸路からは現場に行けないため、毎日、船で往復するなど、そうした大変さもあります。このように多くの方々の努力と工夫によって整備が進められており、地元の要請にも応えられるよう着実に整備を推進して参りたいと考えております。
▲公共ふ頭利用状況
(自動車専用混載船)
▲湾口防波堤 ▲泉作業基地

釜石港安全衛生推進協議会

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釜石市港町2丁目4番10号
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第二工場/釜石市大字平田第3地割32番地
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