建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2003年7月号〉

interview

教会建築・旧家屋の復元などユニークな工事実績

地域社会に貢献する地場建設業

関建設工業株式会社 代表取締役  関 陽 氏

関 陽 せき・あきら
昭和 18年 11月 29日生まれ
昭和 41年 3月 日本大学理工学部建築学科卒業
昭和 41年 4月 関建設工業株式会社入社
昭和 61年 4月 代表取締役に就任
現在に至る
東京都小金井市に居を構える関建設工業(株)は、建築家の前川國男の自邸をはじめ古い時代の民家の復元や、ゴシック建築の教会建築で施工実績を残すなど、特色ある技術力を発揮してきた。財政難で、地域のまちづくりや産業振興が思うに任せない中、そうした個性を生かしながら地域貢献をしている。
▲江戸東京たてもの園 前川國男邸 ▲江戸東京たてもの園 綱島家
▲建設局長賞 野川整備工事(その50) ▲小金井警察
――こちらの会社の概要をお聞かせ下さい
当社は、法人化してからちょうど51年目になります。それ以前は、個人事業として携わっていました。世代が私に交代したのが、昭和61年です。
当初は建築工事が主体で、都営住宅関係が特に多かったのですが、私が入社した昭和41年くらいから、土木の現場に臨む機会も増え始めました。しかし、当時は監督者がいなかったので、私がその任に当たるようになり、それで土木も守備範囲になったわけです。現在の受注実績は、官公庁が78%、民間が22%くらいです。
――特色ある工事に携わってきたとのことですが
古くは、昭和29年に目黒の碑文谷カトリック教会の建築を担当しました。最近では、都立小金井公園内に江戸東京たてもの園がありまして、古い伝統的な木造建築物の復元工事に携わりました。例えば日本の近代建築の発展に大きく貢献した建築家前川國男の自邸や古い時代の民家の特徴を残す、茅葺屋根の農家綱島家の復元に当たりました。
とりわけ、旧家の復元に当たっては、部材を新しい物に交換する場合でも、部材表面を炭化させたりして、旧家のムードを損ねないように、手間をかけたものです。
▲碑文谷カトリック教会
――地場企業としては、目に見えないところで果たしている役割も大きいですね
そういう面では地場企業として、地域に対し社会的責任を担うという意識を持っています。例えば、交通事故などでガードレール等の破損があった場合、緊急作業として他の通行車両や歩行者に危険が生じない様、夜間でも出動して応急処置をすることもあります。また、住民からの要望による道路の路面の補修など半日で終了する様な工事に対しても即、対応出来る人員の配置を常日頃より整えておかねばなりません。さらには、大雨の時の道路冠水時の排水溝の掃除、冬場の降雪時には通勤通学の時間に間に合う様、朝の4時過ぎからの歩道の除雪など、これらの作業は行政からの要請があって行うものですが、私をはじめ、社員はやらなければならない、やることが地域社会に対し建設会社として責任を果す事だと思っております。そういう気概を持って工事をしていますので、地域住民の方々の工事に対するご埋解ご協力があると、この仕事をやってて良かったなあという満足感がわいてきます。
主な施工実績一覧
発注者 工事件名 竣工年月
東京都 野川整備工事(その50) ※建設局長賞受賞 平成 6年 3月 
(財)東京都歴史文化財団 平成7年度江戸東京たてもの園復元工事(前川國男邸) 平成 8年 3月 
(財)東京都歴史文化財団 平成8年度江戸東京たてもの園復元工事(綱島家) 平成 9年 3月 
東京都 警視庁小金井警察署庁舎改築工事 平成 9年10月
東京都 都営住宅10h−104北(東大和向原)工事 平成12年 1月
小金井市 小金井市立緑中学校校舎改修工事(その3) 平成14年 9月
小金井市 小金井市公共下水道築造工事
(市道411号線管渠新設・既設管等撤去)
平成15年 1月
東京都 道路改修工事のうち電線共同溝設置工事
(北南一桜町の2)
平成15年 3月
東京農工大学 東京農工大学小金井団地インキュベーション施設新営工事 平成15年 6月
全国農業協同組合連合会
東京支所
(仮称)ja東京むさし小金井北支店新築工事 平成15年 7月

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