建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2003年1月号〉

すぺしゃると〜く

新技術・新工法を積極的に導入

低コストで効率的に高速道路を建設

日本道路公団北海道支社 建設部長 織茂 直樹
――北海道における高速道路網整備についての考え方は
織茂
北海道は大自然に恵まれ、観光産業や日本の食料基地としての役割を担う農水産業が基幹産業となっている。
しかし、道内の中核都市や観光拠点間、空港・港湾は広域に分散しており、積雪寒冷な気候のため、冬期における人流や物流は過酷な環境に晒されている。
このような状況を背景に、地元の方々からは、産業の発展や生活の安定と向上のため、地域の中核都市間を結ぶ高速道路の早期整備を望む声をたくさんいただいている。
JH北海道支社としては、こうした重要な役割を有する高速道路を、地元のご理解とご支援をいただきながら整備していきたいと考えている。
――道内では、特に冬期間の交通の確保が重要課題だが
織茂
高速道路は安全快適に使って頂いてこそ価値があるもの。冬に強い高速道路を作るため、特に意識して仕事を行っており、例えば、視程障害対策として、必要な箇所への防雪林・防雪柵・自発光スノーポールの設置などを行っている。
▲山越工事 浜松1号線より始点方向
――工事に当たっては、北海道の豊かな自然を保全する取り組みも必要だ
織茂
もちろん、高速道路の建設に当たっては、沿道の自然環境をできるだけ保全するよう努めている。例えば、休憩施設(キウスPA)において、既存林の中に遊歩道を設けることで既存林の伐採を減らし、自然環境の改変を少なくしたりしているのもその取り組みの一つだ。
――JH北海道支社として、これまでに開発した新技術・新工法などについては
織茂
JH北海道支社では、高速道路を低コストで効率的に建設するため、新しい技術・工法を本格的に適用している。
主な事例としては、鋼橋の桁本数を減じる新橋梁型式の採用がある。これは、床版の長支開化及び耐久性を向上させるため、従来のrc床版に代えてpc床版を採用し主桁間隔を広げ、主桁本数を少なくすることにより、構造型式の簡素化・施工の省力化を図るもので、完成後の維持管理も容易である。また、比較的小規模の橋梁においてノージョイント化を積極的に進め、建設コスト・管理コストを縮減し、走行の連続性と快適性の向上を図っている。
今後も、工事に当たっては、貴重な自然の保全に十分配慮すると共に、皆で努力して建設コストの縮減にも努めていきたい。

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